2006年09月24日

猫縁応酬B

〔矢子と二健の交換日記の記録〕
2006年07月16日〜31日
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2006年07月16日
07:39
Jiken

矢子様、おはようございます。
一日サボりました。ごめんなさい。

矢子様の身籠った俳句の妖精、
そしてめでたくお産され、王子はすくっと立ち上がりました。
七歩歩いて右手は天を、左手は地を指しておられます。
もう何も心配はありません。
俳句は一人歩きするものです。
産み落としさえすれば、それなりに成長を遂げます。
周りの人と、その周りの人と、その又周りの人たちが、
育て上げてくれます。生みの親は作者で育ての親は読者です。
だから本当は女性の軟らかい感性から生まれ出たものの方が
自然のような気がします。男も初めは女だったのですが。
よって天狗奴も女子供草花雑草虫けらたちから生きることを
学ぼうと、日々日夜目を見開いて格闘しております。

そんな訳で、
矢子様とボロ猫様に御縁を戴いてからというものは、
矢子様の夢幻能の海に漂い、宙に浮遊させて頂いております。
その詞藻に輝く妖星の数々は、嘘星の俳句と魂は一緒です。
「紙と時間の節約故自由なる詩文を一行一句にせよ」と
吝嗇大魔王から命令されて俳句形式が誕生したのです。(嘘)
それを詩句と言ってもいいのですが、天狗奴は俳という、
如何わしき未知なる概念に魅せられておりますので、
詩と俳を分けて考えたいと思っております。
詩はポエジーですが、俳の翻訳の言葉は知りません。
俳句は英語でもハイクです。
南米ではハイカイで通っているそうです。
俳については内外で確立された概念なり定義が、
ないから天狗奴がつべこべ言っております。

こんな孤高の天狗奴を師とすると、矢子様も人間界から
遠ざかり、遂には天狗道へと落ちてしまいますぞ。
以前は水辺の紫陽花の許で矢子様が天狗の尻尾を掴んでは、
手を滑らせてしまわれましたが、
今回は師弟関係のランデブーと相成り候。
天狗道でもどこでも旅は道連れ世は情け。
情け容赦のない天狗の赤ら顔。縮まぬ鼻高。

長々薀蓄垂れましたが、天狗奴は、我田引水ながら
「一行の言語表現もまんざらではないぞ」ということを
言いたかったのでした。

  文交す赤色金魚二匹かな   矢子
  字が読める金魚の二匹蝶番  二健

以心伝心伝染病は隔離して…冗句です。おふざけも又俳句。
おじいちゃんと金魚草に埋もれましたか。
今度は天狗奴がおじいちゃん役買って出ます。
俳句じいちゃんです。ちびまる子ちゃんでしたか、
そんな漫画がありますよね。
爺婆は俳句を嗜んでいる設定がけっこうあります。
俳句は老人の手遊びだけじゃございません。
天狗奴の馬鹿親父は、私が小学二年の頃、
肺病を患って入院し、そこで俳句を覚えて退院してきました。
それから郡の句会で特選もらっただの、
先生に褒められただのと自慢話を勝手にしてました。
自画自賛を垣間見て育ちました。
でも俳句になんか全然興味なく、33歳から思い立って始めて
今に至りました。

長い道のりをとぼとぼと歩いてきて、
今度は金魚草の咲く草原へ踏み込みました。
ああこんな所に黒髪の乙女の死体が…。
いや近付いてよく見ると眠っているようです。
きっと妬みをもった人に毒林檎を食べさせられたのだと思い、
そっと目を細めて白髪交じりの髭で囲まれた唇を寄せますと、
乙女のお目々がパッと開いて、お互いに吃驚仰天!
天狗奴は仰け反って倒れ、腰を抜かして、
おまけにぎっくり腰が再発したのでした。
桑原桑原、金魚草の原っぱでの一幕。

…ということで、天狗奴は矢子様のお傍で、
声を殺して悲鳴を上げております。

〜二健

2006年07月17日
18:49
yaco

二健様、こんばんは。

現実という、空虚の世界での、たったのいち日。
さぼる、なんて、窮屈なことは、お考えに
なってはいけません。二健様の、ご浮遊時間は
ご自由に、お選び下さいませ。
矢子は、お返事を頂けるだけで、十分、幸せなのですから。
二健様との、愉しい、お遊びなのですから。

☆     ☆
          ☆       ☆
    ☆
突然。
懐かしい、おじいちゃんの、匂いがしましたので
眼を開きますと、おじいちゃんが、矢子を
覗き込んで、いらっしゃいました。
はっ、とした拍子に、矢子の魂は、矢子のからだから
抜け出してしまいました。ひゅるひゅる、と
風船のように、浮上し、恐る恐る、みおろしますと
横たわる、矢子の、抜け殻の傍らに
おじいちゃんが、胎児のように、蹲っていらっしゃいます。
額に皺を寄せ、眼と、くちびるを、ぎゅっ、と閉じて
赤い、お顔をされています。腰に当てられた
腕から指先には、血管が浮き出ておりました。
(おじいちゃんは、成長した孫の、矢子を
白雪姫と、勘違いされたようです。驚きのあまり
ぎっくり腰を、起こされたのでした。)

これは、大変なことです。
金魚草の茂る、草原が、揺らぎはじめました。

  ひゅるひゅる ひゅるり カゼノ神
  ぎゅるぎゅる ぎゅるり ツチノ神
  りゅるりゅる りゅるり ホノオ神
  しゅるしゅる しゅるり ミズノ神

矢子は、この星の、神々に、お祈りをして
おじいちゃんを、癒して頂きました。

「おじいちゃんは、いま、何に生まれて居るの。
こんど、矢子も、ご一緒に、おじいちゃんの
あたらしい世界を、旅させて下さいな。
おばあちゃんには、内緒にいたしますから。」
すっかり元気になられた、おじいちゃんに
矢子は、すこし、甘えてみました。

このような、流れ。如何でしょうか。
二健様が、矢子のおじいちゃんに、なって下さる、なんて。
夢のなかですが、夢のようです。

  字が読める金魚の二匹蝶番  二健
  夢戸開け爺孫金魚蝶の舞  矢子
  
俳句は、二健様から授かった
きらきら美しい、お星様です。
ひとりひとり、心を込めて、生みます。
二健様の俳句は、お父上様の蒔かれた種が
開花された、お技なのですね。
とても、素敵なことです。
二健様の、機智に富んだ、お句。
大変、憧れます。

>師弟関係のランデブーと相成り候。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
矢子は、犇めく言葉たちのなかで、戯れることが、大好きです。
つるつる、取留めも無く、遊んでおります。
俳句の、お星様の輝きが、矢子のこころにも
すこし、届くように、なりました。
俳という、魅惑的な概念を、すこしづつ
伝授して頂ければ、幸いです。
師のお教えに従わせて頂き、詩と俳を
分けて考えることから、はじめさせて頂きます。

矢子


2006年07月18日
16:17
Jiken

矢子様。こんにちわ。

昨日は雨の海の日でした。
「第一回詩・歌・句フォーラム」というシンポジウムへ
行って参りました。
会場の神楽坂エミールに向かい愛車を漕ぎました。
藤井貞和・筑紫磐井「詩歌の発生と未来を語る」という題で、
60人位のその方面の方々が列席していました。
結構顔見知りもいて、懐かしさもありました。

大昔の人の言の葉のやり取りも、
私たちの取り留めのないやり取りも、
根本的に、そう変わるものではないと思いました。
これで又一つ二つ天狗奴は知恵を付けて生意気になれました。

わが不用意な謝意の露呈に対する、
矢子様の毅然とした叱咤激励に身震い致します。
びしびし願います。天狗奴は、被虐加虐共に享受し、
その実しやかに生きる力に甘んじとうございます。

矢子様とお遊び通じ 通じ合い
遊んだつもりが 遊ばれて
遊ばれ返して 遊ばれて
ばれてしまうは天狗心の他愛なさ
遊びの日々の夢現

  浮遊する遊びをくれた矢子様へ贈る詞は一種の一首
  夢の又夢文月の正夢になる言の葉の照り焼きつつき
* お互いの文芸ごっこの成り済まし白雪姫に天狗の吾よ

  *     
    *  *
            *
                       *
天狗奴の夢想に矢子様の更に輪をかけた夢想、
視点が逆転し、迷宮の鏡の間で、
ぎっくり腰に、更に立ち眩みに見舞われました。
矢子様には癒されているようでいて、
もしかしたら虐げられているのではないかと…。

天狗奴は矢子様のお兄様でもお父様でもなく、
「おじいちゃん」にさせられてしまいました。
しかもお盆の時、胡瓜の馬か茄子の牛に跨って
来るようなよいよいのおじいちゃん。
本当は悲劇の可憐な姫に対して、
白馬に跨って現れる王子様のつもりだったのですが。
おばあちゃんには内緒にしてくれるとのことだし、
まっ、いいか。身分相応だし。(と納得)
…ということで矢子様は天狗奴の孫娘と相成りました。
めでたしめでたし!
これで超安全のバリアが築かれたのです。
矢子赤ちゃんのオシメを換えましょうねー。
「♪一つ聞か〜そ〜〜か ねんこ〜ろ〜り〜」
          (浪曲子守唄の歌詞より)
どうせ天狗奴は変幻自在、何にでもなってさし上げます。

  夢戸開け爺孫金魚蝶の舞  矢子
  夢をみて夢からさめて生き御霊  二健

矢子様、天狗奴の句が機智に富んでいるとのご指摘、
図星です。大変お目が高くていらっしゃいます。
矢子様はもう押しも押されもしない立派な俳人です。
矢子様の才は彩に通じます、多才で多彩な星の光りです。

師についてですが、
この天狗奴の根底に棲んでおられる師は、
人間様や、その著しものや作りものよりか、
今まで出っくわした娑婆での体験や森羅万象です。
得体の知れないものを師として奉っております。
そんな如何わしい天狗奴でございます。

〜二健

2006年07月19日
18:24
yaco

二健様、こんにちは。

しとしと。雨が、降り続いております。
もうすぐ、梅雨も去っていくのかな、と、思いますと
雨粒。ひとつひとつが、愛おしく感じられます。

以前、二健様が、矢子の産み落とした
ちいさな、青い俳句を、恐れ多いお言葉で
誕生した仏、と、喩えられたことを
ふと、思い出しました。

夢をみて夢からさめて生き御霊  二健
雨安吾の夢に白象句を宿す  矢子

宇宙は凡て、陰陽であるように
乙女の癒しにも、均衡のとれた
影と光とが、必須の条件、と、感じております。
二健様。お気付きのご様子ですね。
前世。矢子が、尼を目指しながらも
達成できなかった、理由に。
黒百合と、白百合があるように
女の殻ばかり、好んで被る魂は
業病に蝕まれる、魔女像と
慈悲に満ちた、観音像、とが、紙一重。
どちらも、優しい矢子の、癒し方。
二健様の、お好みで、感じて頂ければ、幸いです。

      ★
    ☆      ☆
☆   ★        
        ★         ☆

おじいちゃんは、現世は、どうやら
王子様として、ご誕生のご様子です。
(二健様の、ご希望通り。)

矢子は、深緑色に光る、黒髪姿。
川の傍らにできた、水溜まりで
何時も通り。水草、水藻と、隠れんぼ。
何時も通り。苔や、羊歯と、数えうた。
お気に入りの、紫陽花の毬で、戯れておりました。

遠い、遠くから、お魚が、流れてきます。
おおきなお口の、そのなかは、お魚がいっぱい。
まるで、万華鏡のようです。
お魚の、またまた、そのお口のなかは、お魚がいっぱい。
ますます、万華鏡のようです。
矢子は、暫く、見とれておりました。
茸のお椅子に座ろうと、お魚にくるり。
背を向けたときです。
背後から、矢子に、何かが、跳び付きました。
矢子の、鎖骨のあたりに、まわされたお腕を
ちらっと、伺いますと、毛の生えた、蛙のようです。

蛙のような、生き物は、ぬるぬるした
大変、お美しい、お声で歌われました。

   >矢子様とお遊び通じ 通じ合い
   >遊んだつもりが 遊ばれて
   >遊ばれ返して 遊ばれて
   >ばれてしまうは天狗心の他愛なさ
   >遊びの日々の夢現
      
二健様 お遊び通じ 通じ合い
遊び遊ばれ 隠れんぼ
遊ばれ遊び 毬に乗る
機智に憧れ 師と崇め
蛙の王子 背に負る

蛙様は、その、万華鏡のなかから、現れたのでした。
魔女に、呪われた王子様。
蛙様を、おんぶしながら、矢子は
童話の森を、徘徊しはじめました。

矢子


2006年07月20日
22:28
Jiken

矢子様、こんばんわ。

長雨がやっと上がりましたね。
今日は今年初めての蝉の鳴き声を聞きました。
昼下がりに暫し勢い良く鳴いて、それきりでした。
蝉と向日葵で、いよいよ夏本番の風情です。

紫陽花に宿る水滴は、
ぽたぽたからからからへ。
矢子様の漆黒の髪の毛は、
しっとりからさらさらへ。

 ぽたからしっとからさらさ
 ぽたからしっとからさらさ
 両手合わせてなむなむなむ

 ぽたからしっとからさらさ
 ぽたからしっとからさらさ
 白い象さんなむなむなむ

禍福は糾える縄の如しと肝に銘じ、
その持ちつ持たれつの力の程を思います。
隣り合わせて睦みあう夢現のものがたり。
善玉悪玉ころころ転がり力尽き、
止まった所は水溜り。
善玉悪玉は本分忘れて沐浴中。
                      *
  雨安吾の夢に白象句を宿す  矢子
  象の背に姫百合供え給われり  二健

   *   *
 *

天狗奴の二重三重の変化、その都度ちぐはぐな
継ぎ目が出来てしまって、無様な恰好の王子です。
ボロは着てても心は錦、錦鯉には叶いません。

鯉は鯉でも紙の鯉、棹の先に取り残されて、
風が吹くまで泳げません。
それどころか雨降りでボロボロです。
ボロは着てても心は錦、錦蛇には叶いません。

蛇は蛇でも竹の蛇、玩具箱に無造作に
仕舞い込まれて忘れられ、
逃げ出すこともできません。
ポロポロ涙ももう出ません。

ポロは着てても心は和、和古来の蛙です。
継ぎ接ぎだらけの王子より、身代わり仕立ての蛙です。
脱皮、変身、様変わり、珍奇奇妙の奇天烈で、
まともな蛙になれなくて、中途半端の出来損ない。
寒がり蛙、青蛙、裸の殿様蛙、赤蛙。
苦肉の作の毛生えの蛙。
納得がゆかないままに放たれて、
森で途方にくれました。
そして、のそのそ歩いて這って、
茸の椅子と矢子お嬢様を見付けました。
「痩せ蛙負けるな二健ここにあり」
一茶の名句にあやかって、芭蕉の名句も偲びます。

鯉幟、竹の蛇、ぬいぐるみの蛙、天狗のお面、万華鏡、
絵本…、埃と黴の玩具箱です。
半開きの窓から生温かい風が吹き込み、
蝉の初鳴きが聞こえます。

〜二健

2006年07月21日
20:32
yaco

二健様、こんばんは。

二健様の、お傍で、鳴いている
蝉のおうたが、矢子の耳にも、届いております。
矢子も、去る、日曜日。
西東京の、ちいさな動物園で、蝉の初鳴きを
浴びて参りました。
幼き日。蝉の抜け殻を、拾い
ハンカチに、優しく包んでは、取り出し
手にとっては、光に透かし
いつまでも、飽きずに、遊んでおりましたことを
懐かしく感じております。それは
鼈甲色の、ちいさな飴細工のような、玩具でした。
蛇の抜け殻に、触れたときも、その、透き通った
かたまりから、過去を穢すことなく、変身をする、魂の
凛とした、かたちを感じました。
矢子も、蝉たちや、蛇たちのように、こころの脱皮を
繰り返し、美しくなりたいものです。

矢子の、気紛れな夢の世界に、浮んでは消え
消えては浮ぶ、役者様に、次々と
ご変身して頂き、大変、恐縮しております。
これも、天狗様の、おしなやかな、お業、と
ご寛大な、お心、あってのことでございます。

二健様の、ご変身のお詞。
錦の、お心をお持ちの、二健様。
錦鯉や、錦蛇。矢子は、錦眼鏡から
覗かせて、頂いております。
太陽に透かして、くるくる、回しておりますと
拍子と、抑揚が、より一層きらめくように、感じます。
                      
埃と黴の玩具箱。
矢子が、綺麗にして、差し上げましょう。
この季節。気管支炎を、召しませんように。
             ☆
        ☆
王子様。蛙の王子、王子様。
魔法の呪文、教えましょう。
ぷったむさんが なむぷった
ぷったむさんが なむたんま
ぷったむさんが なむさんが
       ☆ 
   ☆
王子様。蛙の王子、王子様。
ひとのおからだに、なったなら
蹴鞠をして、遊びましょう。
仙人掌の毬。
矢子は、失くしてしまいました。
ころころ、まあるい、緑色の毬です。
もしも、探してくださったなら
王子様の、願い事。
なんでも、叶えて、差し上げます。
     ☆
           ☆
王子様。蛙の王子、王子様。
秘密の森で、遊びましょう。
ぷったむさんが なむぷった
ぷったむさんが なむたんま
ぷったむさんが なむさんが
         ☆

象の背に姫百合供え給われり  二健
風鈴の澄みたるちりん普賢の音  矢子
      ☆                 
竹の蛇は、しっぽの部分を引っ張ると
お口の部分に入れた、指を
噛む、仕組みの玩具ですか?

矢子



2006年07月22日
09:29
Jiken

矢子さま、おはようございます。

娑婆は夏休みに入りました。
天狗奴は毛の生えた心の中だけで夏休み取りました。

矢子様の蝉の抜け殻伝説、楽しめました。
人は物心ついてしまうと、その小さな宝物を忘れ去り、
さらに厭わしきものの類に分類してしまいがちです。
矢子様の子供心は天狗奴の大人気無さと繋がりました。
絵空事、無邪気、無軌道、無分別、無限の彼の世、
此の世から、見渡し、手には、万華鏡、見聞きし感じ、
変な筋道立てながら、変なお話莫迦話、
莫迦は莫迦でもマイナス付け合い、掛け割り算の
プラスの志向、而して思考の嗜好。

こころの脱皮、脱皮するほど若返り、
だって純情どうしょう。
こころの脱皮、脱皮するほど若返り、
だって可憐ねどうしよう。
こころの脱皮、脱皮するほど若返り、
だって餅肌どうしよう。

〜なんてね。


   *     * 
                *
お互いが脱皮と変身繰り返し合うものですから、
舞台にも楽屋にも彼方此方に抜け殻が転がっています。
矢子様の大事な仙人掌の毬も、
そこいらへんに埋もれているはずです。
飴色の抜け殻や毛羽立った着ぐるみに聞いてみます。

緑色の毬を見ませんでしたか。
棘々の毬を見ませんでしたか。
…知らないねーそんなもんは。
…見てないねーそんなもんは。
仙人掌の毬なんですけど。
…ないない。そんなもんは。
…団扇仙人掌なら知ってるけど。
…毬仙人掌なんて知らないね。
いや仙人掌の毬なんですけど。
…どっちにしても知らないね。
…そんな毬痛くて毬にならないじゃないか。
木の靴履いて蹴るんです。
…それじゃ毬の方が壊れちゃうじないの。
いいのいいの、心配しなくて。
…心配じゃのう。
…もしかしたらキラキラ光る毬じゃないの。
そうそうくるくる回って光りを出すの。
…だったら、あれかな。(天上を指差す)
あったー。あんな所にぶら下がってた。
…なーんだ、ばかばかしいミラーボールじゃないか。
でも、どうやって取ればいいんだろう。
                   *
〜なーんてね。       * 
 *        *
   *  

  風鈴の澄みたるちりん普賢の音  矢子
  汗の踊り子ミラーボールを鉢に植え  二健

          *
矢子様の竹の蛇、ありますねそういうの。
あれは何か植物の皮か葉っぱを編んで出来てますね。
南の島国のお土産かも。
天狗奴の思い出の竹の蛇は、竹を3センチ位に斜め輪切りに
したものを、関節部分に穴を開けピンで留めて
連続させた玩具です。
尻尾を持って横に振ると蛇らしくうねります。
竹切ってきて自分でも作れますね。夏休みの工作として。
玩具箱のお掃除ありがとう。

〜二健

2006年07月23日
13:17
yaco

二健様、こんにちは。
               
玩具箱のざわめきが、矢子のお部屋を、満たしております。
                  ☆
お外は、白い、白い、曇り空。
夏休みの、白日夢。
お部屋は、黒い、黒い、夜の風。
日夜逆転、摩訶不思議。
   ☆
水玉柄の、ワンピースを、纏い
白いブーツを、履いた矢子は
きょうも、踊ります。
       ☆
    汗の踊り子ミラーボールを鉢に植え  二健
    夏の月部屋に膨らむ夢芝居  矢子
                 ☆
鉢植えの、ミラーボール。
地表に、お星様を散りばめて
くるくる、くるくる、回ります。
玩具箱は、きらきら、わいわい、大騒ぎ。
ゴーゴー踊る、蝉の殻。
竹の蛇は、ツイストです。
モンキーダンスの王子様。
黒髪矢子の、ブーガルー。
                        ☆
鯉幟、ぱたぱた、ひらひら、ひらひらり。
めくるめく、からから、ことこと、風車。
絵本うた、あいうえ、かきくけ、さしすせそ。
くちくちく、跳んだり、跳ねたり、仙人掌毬。
                  ☆
夏の一夜も、すぐ終わり。
朝焼けみえたら、さようなら。
玩具箱で、眠ります。
      ☆
チャチャチャ玩具の、チャチャチャ。
チャチャチャ今宵も、チャチャチャ。
            ☆
矢子


2006年07月24日
16:01
Jiken

矢子様、こんにちわ。

雨が晴れて、曇って降っての繰り返しの日々。
せっかく鳴き出した蝉が押し黙っています。
もしかしたら生きながら黴ているかも知れません。

天狗奴が何処からかぶん盗ってきて、
そのまま忘れていた玩具箱を、
矢子様が来て、お掃除して下さいました。
天狗奴が酔い潰れているときの出来事だったようです。
せっかくの初逢瀬の機会を逃してしまいました。

それからというもの、
天狗奴は変わり映えないのですが、
矢子様の紡ぐお言葉が、律の星を宿してきたようです。
時に律の調べに瞬き、時に乱調に瞬く詞藻の潭に、
昼夜を忘れて漂いに耽る雑魚天狗です。

  夏の月部屋に膨らむ夢芝居  矢子
  天狗にもかぐや姫にも夏の雨  二健

かぐや姫の無理難題を叶えようと、
せっせと聞き込み調査から初めて、
鉢植えのミラーボールへ辿りつきました。
  *
   *
         * 
* 
 かぐや姫蹴鞠をしようとおんもに出
 蹴鞠の鞠を探しています

 かぐや姫鞠のありかが分かりません
 池の鯉にも尋ねてみます

 かぐや姫探した鞠が見当たらず
 天狗を呼んで探させました

 かぐや姫鞠の形や色を言い
 ご褒美示し捜索依頼

 かぐや姫と蹴鞠をしたい天狗奴は
 押し問答と聞き込み調査

 かぐや姫の期待に応え天狗あり
 応えられない天狗はおらぬ

 かぐや姫の手前それなり誤魔化しも
 兎にも角にも微笑み欲しき

 かぐや姫に差出したるは鉢植えの
 鞠にあらぬも鏡仙人掌

 かぐや姫気に入ってくれた面持ちで
 笑顔戴き願いは叶い

 かぐや姫ミラーボールで遊びだし
 蹴鞠忘れて昭和の踊り

 かぐや姫和洋の星に跨って
 遊び疲れて玩具の箱に

   *
       * 
            *
天狗奴も思春期だった頃がありました。
その白黒のブラウン管に矢子様を見出し、
懐かしく楽しませて頂きました。
天狗奴の学歴には保育園と幼稚園が、
見事に欠落しておりますので、
今更ながら擬似体験をしとう存じます。
今、矢子様とこうやっていることが、
念願の叶いです。まだ見ぬ孫とのランデブーです。
やはり鉢植えのミラーボールを差し出したのが、
効を奏したのだと思い、
胸を撫で下ろしております。

〜二健

2006年07月25日
16:47
yaco

二健様、こんにちは。

いまにも、泣き出しそうな、お空の下で
珈琲片手に、ぼわりと、しております。

二健様の、俳句のご指導が
矢子のこころを、より敏感に、操作します。
以前は、無意識のなかで、戯れていた
音数や、季節感。旋律や、拍子を
意識的に、操れるように、なってまいりました。
園児の、お遊戯に耽る、矢子の
お相手をして下さり、天狗様は
お優しい、竹取翁様のようです。

二健様から伝染した、律をなした言の葉たちが
矢子の、あたまのなかで、発熱し
めまい、ぐるぐる、渦巻いて
ひらひら、ぱたぱた、飛びかいます。
矢子は、指を折りつつ、数えます。
だらだらと、ながく、ながく、綴るより
適切な絵を、探して、求めて、歩きます。
そんな、お句の旅は、面白いです。
二健様、どうしましょう。矢子は、五七五の虜です。
(字余り字足らず、など、よく理解しかねますので
基礎的な、五七五に、捕われております。)
クロッキー帳の木には、殴り書き。
青い、青い、句の実たちが、ころころ、と
熱帯夜に、犇めいております。

二健様に、御礼を、申し上げますとともに
今後も、文彩に、磨きを掛けたく存じ上げます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

  ☆
昭和の踊りたちは、十年程前。矢子が
日夜。踊り狂っておりました頃の
思い出を、すこし、回想させて頂きました。
GS歌謡ブームの再来期のことです。
60年代をリアルタイムで、過ごした
矢子ママの影響で、矢子も、好きになりました。
     ☆
        ☆
 天狗にもかぐや姫にも夏の雨  二健
 竹筒の筆立てに降る夏の精   矢子     ☆
    ☆
月へと還る、かぐや姫
火星は拒む、矢子帰郷
巡り巡って、地球人       ☆
彷徨いつづく、矢子の旅
    ☆
蛙の王子様は、仙人掌毬よりも
高級で、きらびやかなミラーボールの毬を  ☆
矢子に、探して下さいました。
  ☆
お願いごとは、何ですか
蛙のままで、いいですか
ひとり歩きの、物語り    ☆
ひとの爺さん、舞い戻る
      ☆
二健様がお酒の海で、ご浮遊なさっているときに
ご覧になった、夢。覚えていらっしゃいますか。
夢は、きのうの、忘れ物です。
二健様は、立派な、蛙の王子様のお姿で
矢子と、踊っていらっしゃいました。
夢が、きょうに、踏み消されたとき   ☆
蛙の王子様は、森のなかへと
消えていかれました。そして、矢子はまた
おじいちゃんに、育てられている
模様です。竹取の翁様。
矢子を、みつけて下さったのですね。
     ☆

出鱈目、出任せ、夢任せ。
二健様に、整理整頓して頂き
空っぽの、世界の出来事も、絵巻に
上手に、収まりました。
  
先日は、玩具箱の奥深く、戯れ過ぎて
二健様の、お茶目なお詞を、み落としておりました。
>だって可憐ねどうしよう。
可憐という、響き。とても、好きです。
矢子は、拾い上げて、転がして、眺めております。
チュー助が、ナッチャンの、手の一部になっているように
矢子の、お手手に、くっつけて。

矢子

2006年07月26日
15:56
Jiken

矢子様、こんにちわ。

今日は天気がよすぎてまぶしいです。
表を歩いたら目がくらみました。

矢子様とは、宇宙と海中と地底を彷徨う旅を、
ごいっしょさせて頂いて有頂天な天狗奴です。
俳句の星にも降りて遊べて我が意を得たりと、
天狗冥利に尽きます。

尽きはツキでも 何のツキ
月の輪熊か 啄木鳥か
月の兎か 餅突きか
嘘付き胡麻擂り 人に憑き

尽きはツキでも 何のツキ
ツキからツキへ ギャンブラー
さすらい月の 重ね月
思いのつきが 運の尽き

尽きはツキでも 何のツキ
焼けつき焦げつき 月末に
次々分かり 次は無し
月の翳りの 夜逃げ月

尽きはツキでも 何のツキ
明るい月に 暗い月
顔突合せ 膝もつき
両手をついて 月頼み

尽きはツキでも 何のツキ
棚機月の お付き合い
かぐや姫つき 物語
天狗は憑かれ 読み耽る

矢子様、天狗奴の指導なるものは、
天狗道の無明世界に彷徨うことでありまして、
幸運にも嫌気が差した暁には、自力脱出をなされて下され。
天狗奴は元の木阿弥、山奥の洞穴と木の枝に帰ります故。
天狗奴の俳句は毒林檎であります。
七夕祭に林檎好きな矢子姫が、見つけて食べられたのは、
ご尤もな成り行きでございます。
麻痺痺れ目まい気絶の毒林檎なのであります。
森のせせらぎを後にし、林檎を食べ、
金魚草に埋もれて仮死状態になられた矢子姫を、
見届けた狼天狗は、そろりそろりと近付き、
「思う壺也、我が意を得たり!」と牙から涎を垂らして、
舌舐めずりをしながら覗き込んでおりました。
「殺めてはならん、殺めてはならん」と自制する理性と、
「食いたい、腹いっぱい食いたい」という欲情とで、
いみじくも葛藤した、太い尻尾を生やした天狗
なのでありました。
そのような天狗の趣味の俳句でありますからして、
姿形だけは娑婆の俳句と何ら変哲もございませんが、
その狼天狗の獣心たるや、人間様の清く正しいものとは、
相反し、笑いものとする無礼極まりない
下心なのでございます。
人に非ずを俳と云うのでございます。
その句を俳の句、つまり俳句と解釈しているのであります。
天狗の俳句指導は、このことが、振り出しの双六です。
また、教えることは、教わること、
覚醒された矢子姫の侍従天狗として仕ります。

律をなした言の葉
律をなさない言の葉
それぞれそよそよ風に揺らぎ
日差しを通しさえぎり
木漏れ日となっては
茸にも降りそそぎます
蟻の徒労 きりぎりすのセレナーデ
小鳥の囀り 蝶々の舞
言の葉の律 音の律
絵も踊りも 律に縛られ解き放ち
自由な律が蠢きます
矢子姫の律と天狗奴の律
二人の律は唸り合って
遠く深く何時までも響きます

矢子姫の画帳を盗み見したイメージでした。

>今後も、文彩に、磨きを掛けたく存じ上げます。
  文彩に磨きを掛けて嗅ぎ分けて (パロディ御免)

矢子様の昭和の踊り体験は物凄く有効です。
今ジャズダンスを習えば、一通りあの頃の踊りを
踊れるようになるのでしょうが、矢子様のママ様譲りの踊りは
筋金入りです。素晴らしいモダンなママ様です。
何時の日か超スローモーションで踊られる矢子様を、
切り刻んでモノトーンの平面に焼付けとう存じます。
妄想のイメージは果てしなく続きます。

 竹筒の筆立てに降る夏の精   矢子
 うら若き母の譲りし踊りかな  二健

>二健様は、立派な、蛙の王子様のお姿で
>矢子と、踊っていらっしゃいました

そうでしたか、
酔い潰れている時の出来事、何も覚えておりません。
そういえば矢子様の背にしがみついて、
矢子様の汗を啜っていたような覚えだけがあります。
甘辛くそれはそれは甘美なものでした。
蛙から突然竹取の翁への変身、
なんて世間は酷なんでしょう。
せめて一夜の王子様にでもなれたらと、
切に願っておりました。
でもしかし可憐な矢子姫は、やはり瓢水の古句で納得です。

  手に取るなやはり野に置け蓮華草  滝野瓢水

〜二健

2006年07月27日
17:21
yaco

二健様、こんにちは。

ちいさな、夕立が、矢子の町を
いま、通り過ぎていきました。

ツキのお詞。
ツとキとが、くっ付き合って、突き合って。
ころころ、転がる、お月様の鼻歌のようです。
矢子は、お月様を毬にして
毬就き遊びを、して参りました。

      ★  ★  ★
                    
毒林檎を、頂きましたときのことを、思い出しました。
矢子に、美味しい林檎を、差し出されたお方は
二健様でいらしたのですね。
高島野十郎の館の、東の森で、お散歩をしておりますと
大層ご親切な、仙人のような、お方にお逢いしたのです。
その方は、ふたつ。林檎をお持ちでした。
ひとつは、じっと、みつめていると、緑色になる、赤林檎。
もうひとつは、じっと、みつめていると、黒色になる、赤林檎。
矢子は、そのとき。後者の、黒光りする赤林檎を、頂いたのです。

その、林檎。大変美味しゅうございました。
矢子のからだに、同じような
毒が、潜んでおりましたからでしょう。
磁石に砂鉄が付くように
毒が毒を呼び、毒が毒を、高めます。
矢子の体内では、その毒を、消化しつつあります。
毒が、からだに廻ってしまうと
もっと、毒を、欲するものです。

二健様。それ程、矢子を、殺めたい、と、思われたのならば
殺めてしまえば、よろしかったのでしょうに。
二健様。それ程、矢子をお召し上がりになりたい、と
感じられたのならば、お腹いっぱい、お召し上がりに
なってしまえば、よろしかったのでしょうに。

矢子は、よく、矢子を食べて、再生します。

矢子は、姫林檎が、大好きです。
目前に、山積みにされた、姫林檎があります。
つぎつぎと、矢子は、お口に運んでいきます。
はじめのうちは、幾つ食べたか、数えて居るのですが
三十個を越えると、幾つ目か、わからなくなるので
わからないまま、食べ続けます。
お腹がいっぱいになると、座って居ることも
苦しくなりますので、すこし、横になります。
横たわっておりますと、矢子の、足音が響いてきます。
横たわっている矢子の、傍らで、ぴたり、止まると
お腹の辺が、ちくちく、痛みだしていることに
気付きます。横たわる矢子のお腹の、姫林檎たち。
その、姫林檎たちを、傍らで、もうひとりの矢子が
つぎつぎと、お口に運んでいます。
はじめのうちは、幾つ食べたか、数えて居るのですが
三十個を越えると、幾つ目か、わからなくなるので
わからないまま、食べ続けます。

  うら若き母の譲りし踊りかな  二健
  流星娘の秘密毒林檎       矢子

      ★  ★  ★

>その狼天狗の獣心たるや、人間様の清く正しいものとは、
>相反し、笑いものとする無礼極まりない下心
理解に努め、よく、心得ておきます。
自問自答式 俳の自立宣言。
ゆっくり、拝見。お勉強しております。

不幸にも、矢子に、ときが訪れましたら
土や水に戻って、天狗様に、ご指導賜った
毒林檎を、句に詠み、句を、毒林檎に浴びせ
懐かしむことでしょう。
そんな日は、榎茸が、ひとの高さ程になり
車が、お空を、飛ぶのでしょう。

二健様。諦めてはなりません。
蛙になったり、竹取翁でいらっしゃったりしても
二健様は、二健様。天狗様は、天狗様。
天狗様と、矢子が、猫様の思し召しで
こうして、戯れて居られること。
矢子は、現世。この星に、生まれたことに
感激いたしております。

矢子


2006年07月29日
20:05
Jiken

2006年06月28日、mixiの【Jikenのフォトアルバム】
「ボロ猫は行く」の一枚の野良猫の写真に対して、
未知の人yaco様から嬉しいコメント戴いたのを契機に、
yaco(矢子)対Jiken(二健)のレスのピンポン球の打ち合いが、
丁度今回で40打となりました。40通の交換日記です。
さらに期間は丁度一ヶ月を越えました。
ほぼ毎日の交換日記状態が今でも続いていて、
空話の話題が尽きることがありません。
両者に面識も共有経験の過去もありませんので、
昔話が出てきたとしても、それぞれ個人的なことです。
何よりも作り話の連続で、飽きることがございません。
このネット上の場でのテキストだけのやり取りですが、
お互いのイマジネーションを楽しみ合うことが
できて幸いです。 ♪線路は続くよどこまでも〜
七夕様、矢子姫と天狗奴のお引き合わせ、恩に着ます。
ということで、矢子様との出会いから一ヶ月。
感慨深く振り返ってみました。

          *

矢子様、こんばんわ。
晴れ晴れした夏らしい日々となりました。
矢子姫の成長と共に過ごした毬様々を
切々と思い起こしております。

 手毬唄の毬
 紫陽花の毬
 七色手毬の毬
 蹴鞠の毬
 仙人掌の毬
 緑色の毬
 棘々の毬
 毬仙人掌の毬
 キラキラ光る毬
 ミラーボールの毬
 お月様の毬
 毬就き遊びの毬

 毬を追いかけ鬼ごっこ
 毬が隠れてかくれんぼ
 毬を見立てて成済まし
 毬の丸さに心をうつし
 毬に祈りの文字を書く
。 毬はとうとう四十個に
 ◎。
   ◎   。
     。
  姫の毒林檎の毒と出会いけり
  毒林檎大変美味しゅうございます
  気の毒と思うなかれや姫林檎
  牙を剥く狼天狗や姫林檎
  林檎姫の貞操帯の虎挟み
  眠る姫狼天狗の脂汗
  七夕の奥手天狗の手篭めかな
  仮死の姫ながら度胸の薔薇まとう
  食べ終えた内臓に換え姫林檎
  姫林檎の三十個程に火を点す
             。
              ◎ 。
                  。
  流星娘の秘密毒林檎     矢子  。
  拾い星捨て星からむ林檎園  二健

          *

拙稿「自問自答式 俳の自立宣言」まで
矢子様に読まれてしまったとは。
面目なき天狗極論。
気が変われば修正の余地も有りや無しや。
天狗の暴論、
言い切り斬り捨て御免の御面倒。
面胴籠手と恐いもの知らずの独り善がり闌。
矢子姫が訪う秘密部屋。
自問自答の鏡の間。
そこは迷宮俳句館。
入口出口非常口、あって無きもの、抜け道だらけ。
水も漏らさぬ良い仲で、居たいがために鍵掛けず。
風通し良いボロ屋敷。冬は冷たい隙間風。
そこから生まれたボロ猫の招き寄せたるお姫様。
ボロ猫ボロボロ招き猫。

          *

天狗奴を叱咤激励される矢子姉御、
貴方様はわが敬愛する緋牡丹お竜さんです。
斬れる啖呵に天狗は骨無しになったり、
いきり立ったり、結局励まされていて、その気になります。
虫や獣や草花に囲まれて天狗のせなで鳴いてる唐獅子釦。

♪背中の釦が留めにくい 一人ぼっちのへ〜でー
そっとーそっとー おやーすみーなさいー
 (まだ宵の口ですが)

2006年07月31日
19:20
yaco

二健様、こんばんは。

夏日が釦を外しました。
ちらほら、と、黴掛かったお声で
蝉たちが、呟いておりました。
ちらほら、と、研ぎ澄まされた色で
風鈴が、歌っておりました。
そんな、昼下がり。
からりとした、風が、肌に心地よく、感じます。
   ☆
釦を押しますと、夢への扉が、開きます。
       ☆
二健様の、お振り返えりになった、言の葉たちの
木漏れ日から、一ヶ月という
ながいような、ながくないような
ひろいような、ひろくないような
宙にぶら下がった、一本の道が
矢子の、コンピューターの画面の、向こう側に
伸びています。そんな林道を
ぼわぼわと、眺めておりますと、二健様の
四十個の毬の、お詞が、ひらひらと、馨しく
歌い、咲き乱れておりました。
             ☆
 拾い星捨て星からむ林檎園 二健
 花火屑天女戯むる手毬唄  矢子
     ☆
つるつると、取留めも無く、起きては消えていく
矢子の嘘星たちを承け、転がし、結びへと
導いて下さる、二健様の、お心遣いと、ご多才な離れ業。
溜め息のでる思いで、いつも、読ませて頂いております。
             ☆
矢子は、新たな、仙人掌毬をみつけました。
それは、赤い、赤い、緋牡丹の毬です。

矢子は、夕涼み。
布施明さんのLP、愛よ飛べに
レコード針を落とし、そっとおやすみ。
サンルームの、揺り椅子に抱かれ
うつら、うつらしております。

ちかくのような、ちかくでないような
処から、蝉たちの、優しい子守唄が、聞こえてきます。

矢子
---------------------------------------------------
Cへ続く
posted by 二健 at 12:47| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 交換日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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